胃内視鏡 vs 胃バリウム vs 胃ABC検診

内視鏡

「胃の検査を受けたいけど、胃内視鏡(胃カメラ)とバリウムのどっちで受けたらいいのかな?胃内視鏡(胃カメラ)はつらいからバリウムにしようかな・・・」

このような悩みを持った事はございませんか?

胃バリウム検診の仕組み

さて、バリウム検査でどうやって病気を見つけるかご存知でしょうか?バリウム検査では、レントゲンに写る白い造影剤であるバリウムを飲むことにより、通常、レントゲンを撮っただけでは写らない胃が白く写し出されるようになるのです。胃の病気は、胃袋の内側の部分(胃粘膜)が盛り上がった(ポリープ、がん)り、凹んだり(潰瘍、がん)するので、バリウムが胃袋の中に入ってくると、盛り上がった病気は、その部分のバリウムがはじけて写り、一方、凹んでいる病気は、そこにバリウムが溜まることにより写し出されます。

胃がんの病変部

有水 昇・高島 力(編):標準放射線医学第4版、医学書院より

胃バリウム検査の長所と短所

バリウム検査の長所と言えば、一番は、費用です。内蔵の検査は、高価な機械を使用することが多く、当然費用もかかることが多いですが、バリウム検査は、レントゲン機器で検査するので、費用を抑えられます。もう一つの長所は、内視鏡より楽である?ということです。しかし、最近は、鼻から内視鏡を入れる経鼻内視鏡の登場により、内視鏡の苦痛がかなり軽減されたので、一概に、内視鏡よりバリウム検査の方が楽とは言い切れません。
バリウムの短所は、胃液の多い方がバリウムを飲むと、胃液がバリウムの胃粘膜への付着を邪魔して、凸凹の病変を検出しづらくなることです。これは検査精度にむらがでることになります。また、頻度は少ないですが、平べったいがんもありますので、このような形の検出も苦手です。そしてもう一つは被爆の問題です。被爆量はたいしたことはありませんが、被爆があるよりないにこしたことはありません。それから、便秘の方は、検査後のバリウム排泄に時間がかかり、腹痛や肛門痛、下血等を起こしますので胃内視鏡検査をおすすめします。

胃バリウム検査の長所と短所
長所 短所
検査の苦痛が少ない 放射線被曝がある
胃全体の形がわかる 検査精度にむらがある
検査費用が安い 平坦な病変の検出が苦手

胃内視鏡(胃カメラ)vs 胃バリウム

それでは、胃内視鏡(胃カメラ)とバリウム検査はどちらを受ければいいのでしょうか?
昔から、胃がん検診と言えばバリウム検査ですが、現在の胃がん検診は、バリウム検査と胃内視鏡(胃カメラ)検査の両方が推奨されています。つまり、バリウムでも、胃内視鏡(胃カメラ)でもどちらでもいいということになります。しかし、胃がんと言っても早期がんから進行がんまであり、どの段階で見つかるかによって、手術のやり方(腹腔鏡か内視鏡か)や予後に違いが生じます。特に、早期胃がんの発見率は胃内視鏡(胃カメラ)に軍配が上がります。ただし、内視鏡の術者により発見率に差があることも事実です。
一方、バリウム検査でも早期胃がんは発見できますし、特殊な胃がんならバリウム検査のほうが見つけやすい事もあります。しかし、先ほど述べたように、胃液が多い人は、病変が検出しにくい短所もあります。以上より、胃内視鏡(胃カメラ)もバリウムも一長一短であり、一概にどちらがいいとは言えません。つまり、胃内視鏡(胃カメラ)かバリウムかは、今のご自分の状況や予算等も含め決めることになるのです。以下に示す事を参考にしてください。

  • 胃の検査にあまりお金をかけたくない
  • 今まで胃の病気をしたことがない
  • 普段、みぞおちが痛くなることがない
  • 40歳未満である

このような方は、胃バリウム検査をおすすめします。

  • とにかく、徹底的に胃を調べたい
  • 家系に胃がんの人がいる
  • お腹の症状がある
  • 食欲がない
  • ピロリ菌がいると言われた人やピロリ菌の除菌をした人

このような方は、胃内視鏡(胃カメラ)をおすすめします。

胃ABC検診の登場

「胃は心配だけど、バリウムも内視鏡もやりたくない!」正直、ほとんどの方がこう思っているのではないでしょうか?
 最近、このような人たちにとって、一つの選択肢がでてきました。それが胃ABC検診です。これは血液検査で行う胃がんリスク検査です。最近の胃がん研究によると、胃がんのほとんどが、ピロリ菌とピロリ菌によって荒らされた胃粘膜(萎縮粘膜)に発生することがわかってきました。つまり、ピロリ菌が胃の中にいるかいないかと、もう一つ萎縮粘膜があるかどうかがわかれば、胃がんが発生しやすい状態かどうかがわかるというものです。これが血液検査でわかるようになったのです。ABC検診は、これらの結果をABCDの4つにリスク分類することにより胃がんリスクを調べる検査です。ただし、これは、あなたの胃粘膜が、胃がんが発生しやすいかそうでないかがわかる検査であって、今現在、胃がんがあるかないかがわかるもではないのです。そう考えると、バリウムや胃内視鏡(胃カメラ)とは違い、あくまで、自分が胃がんになりやすいかどうかを調べる簡易検査と考えていただくとよろしいかと思います。➤詳しくは胃ABC検診

ご自分にあった胃の検査を

以上のように、胃内視鏡(胃カメラ)、胃バリウム、胃ABC検診はそれぞれ特徴があります。
どれを選ぶかは、その方の様々な要因が関係してきます。ポイントは、現在、胃に病気があるかどうかを知りたければ、胃内視鏡(胃カメラ)か胃バリウム検査のどちらかを受ける必要があります。どうしても胃内視鏡(胃カメラ)か胃バリウム検査を受けるのに抵抗がある方は、まず、胃ABC検診でリスク分類をして、胃内視鏡(胃カメラ)や胃バリウム検査を受けるべきかを判断するといったやり方も選択肢の一つです。一方、胃内視鏡(胃カメラ)か胃バリウム検査を受けるのに抵抗のない方は、まず、胃内視鏡(胃カメラ)か胃バリウム検査を受けることにより、現時点の胃の病気の有無を検査します。さらに胃ABC検診を併用する(オプション)ことにより、あなたの胃が、将来胃がんになりやすいかどうかを調べることができ、もし、その結果の中でピロリ菌が陽性と出たなら、ピロリ菌の除菌をすることにより、将来の胃がんのリスクを減らすこともできるのです。

そねクリニック丸の内では、皆様が安心できるように、丁寧でかつ苦痛を少なくする検査を心がけております。何かわからないことやご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。