胃内視鏡は口から?鼻から?

内視鏡

「胃カメラやりたいけど、口からがいいのか、鼻からやるのがいいのかどっちかな?鼻からのほうが楽って聞くけど・・・」
こんな会話がよく聞かれますが、一体どちらがいいのでしょうか?

経鼻内視鏡の誕生

胃内視鏡(胃カメラ)の歴史は、さかのぼること今から65年前の1950年代に始まります。それ以前より世界で胃内視鏡(胃カメラ)の開発が行われていましたが、本格的な開発は日本で行われました。最初は、今から考えると恐ろしいくらい太い内視鏡で、その先端に撮影レンズと豆電球を取り付け、ただ写真をとるだけの簡素なものでした。その後、急速に技術の発展に伴い、現在の経口内視鏡(口からの胃カメラ)が確立することになるのです。経口内視鏡(口からの胃カメラ)のチューブの中には、下図のように色々な物が「恵方巻」のように入っています。これまでの技術では、これらの装置を一つのチューブの中に収めるのには、ある程度の太さが必要でした。しかし、近年、これら一つ一つの装置に対する技術革新が進み、チューブを細くすることが可能になったのです。これが経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)の誕生です。

内視鏡拡大図

経口内視鏡

経口内視鏡ケーブル図

経鼻内視鏡

経鼻内視鏡ケーブル図

オリンパスHPより

なぜ経鼻内視鏡が必要になったの?

前述のとおり、以前は、胃カメラと言えば、口からやる(経口内視鏡)のが当たり前でしたが、最近は、内視鏡自体を細くする技術が進んで、鼻から(経鼻内視鏡)でも内視鏡を挿入することが可能になりました。でも、なぜ、経口内視鏡だけでなく経鼻内視鏡も必要になったのか?それは、口から内視鏡を挿入することは、少なからず苦痛を伴うからです。その苦痛のおかげで、胃の検査を敬遠する方が多かったのです。口から内視鏡を入れると「オェッ」となることが時々ありますが、これは、口に指を突っ込んだ時に「オェッ」となるのと同じように、人間の体の防御反応の一つなのです。ところが、鼻から内視鏡を入れるとこの防御反応が起きないのです。ここに経鼻内視鏡の一番の利点があるのです。

経口・経鼻内視鏡断面図

人間の舌の奥には、危険な異物が入ってきた時に、嘔吐をすることにより侵入を防ぐという防御反応センサーが備わっています。口から胃内視鏡(胃カメラ)を挿入すると、そのセンサーに胃内視鏡(胃カメラ)が触れてしまうことにより「オェッ」が起きてしまうのです。しかし、鼻から入れる経鼻内視鏡(経鼻胃カメラ)では、そのセンサーをかいくぐって挿入することができ「オェッ」が起きないのです。
「でも、鼻から内視鏡入れると、鼻が痛くなりそうな気がする・・・」
このような心配があると思いますが、そねクリニック丸の内では、入念な麻酔をすることにより、鼻を通過するときの痛みはほとんど感じることはありませんのでご安心ください。

経鼻内視鏡の弱点

「それなら胃カメラをやるなら鼻で確定だな!」
・・・と言いたいところですが、実は、経口内視鏡と比べて欠点も少なからずあります。

それは、テレビ画面に映し出される画質の問題です。経口内視鏡に比べて経鼻内視鏡の画質はやや劣ります。これは通常の観察では問題になることはありませんが、微細な病変の観察に関しては、経口内視鏡に軍配が上がります。

経口・経鼻内視鏡胃腸内部画像

・・・とは言っても、ご覧のとおり、パッと見るとほとんど違いはわかりません。

経鼻内視鏡の時代へ

以上より、内視鏡の性能自体は経口内視鏡がやや優勢ですが、通常観察では、ほぼ変わりないと考えていいです。
逆に、内視鏡検査の苦痛度は、経鼻内視鏡が圧倒的に優勢です。特に、そねクリニック丸の内では、鼻から喉に丁寧な麻酔をかけることにより、苦痛軽減に努力をしております。
「胃カメラやりたいけど、口からがいいのか、鼻からやるのがいいのかどっちかな?鼻からのほうが楽って聞くけど・・・」の答えは、

  1. 以前、経口内視鏡で特に辛くなかった方は経口内視鏡
  2. 初めて内視鏡をやる方や、以前経口内視鏡がつらかった方は経鼻内視鏡

胃カメラは、楽しいものではありません。
しかし、現代の医学では、早期胃癌の治癒率はほぼ100%に近くなっております。それから考えると、胃カメラを定期的に行い早期発見・早期治療をすることは、大変重要なことなのです。
そねクリニック丸の内では、皆様が安心して検査ができるよう日々努力しております。わからないことや、心配なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。